引越しって新しい門出

私は一般人より引越しの回数が多かったのかもしれません。子供の頃は父の都合で、私が結婚してからも幾度となくそれを体験してきました。最初は小さなアパートで、やがて公社や公団の団地に抽選で当たり その毎に荷物をまとめてトラックに積み込みました。
回を重ねるにつれて多少は要領も良くなり やがて引越し業者数も多く見かけるようになりましたがいずれにしても持って回る物の取捨選択を迫られ膨大なゴミの量に悩まされてきた事に変わりはありませんでした。それなりの年月を重ねれば生活もだんだんと整理され身の回りも落ち着いてくるものなのでしょうが引越しというイベントがあるたびに半強制的に身の回りの物は淘汰され適切な生活環境になっていくものだと感じています。唯もう一つ引越しのたびに悩んだ事柄は家具や電気製品等大型荷物の搬入出の可否や方法の見つけ方でした。
椅子テーブル流石に専門業者の対応には何度も目を丸くさせられたものでしたが、当初の引越しではピアノを2階から目の前の坂道に止められたトラックへどのように運び出したらよいか引越しのずいぶん前から悩みましたがその当日、ユニックと言う小型クレーン付きのトラックがやってきて2階のベランダから重いピアノが空を舞うようにいとも簡単に車に納まったのでした。そして最近大型の長いソファーを新築の部屋にどのようにして納めたらよいか、もしかしたら粗大ゴミとして持っていくのをあきらめなければならないかと、他人から見たらあほらしいほど悩んでしまった事もありましたが、移動の当日業者がたった一人でそれを毛布に包みまっすぐに立て高さがぎりぎりの扉から何食わぬ顔でくるりと回して搬入してしまいました。悩み事の多い、思っても見なかった問題が起こりえる引越しですが、餅は餅屋に任せるのがやはり順当な方法のようだと改めて感じてしまいます。いずれにしても今までとは全く違う新しい生活が始まるのです。引き継いだ物、淘汰された物の量に関わらずどんな場合でも心は一新できるのですから。